お客様のクレームに対する対応
お店に寄せられる「お客さまの声」。店舗を運営するのに大変役に立ちます。
同性愛者の入店禁止を求める店側の回答が話題になっています。Twitterに寄せられた投稿が話題の元です。
あるお客様が、店の駐車場で男性同士で手を繋いでいたと、「お客さまの声」に投稿したのです。
そのお客様は同性愛者に対すると嫌悪感を吐露しています。「お店として、同性愛者を入店できないよう対策を取って下さい」と、入店禁止を求めていたのです。
このLGBT(セクシュアル・マイノリティ:性的少数者)に対する、心ない対応にこの店舗の本部が回答・反論しています。
本部からの回答(LGBT)
「結論から申し上げます。」
「もう来店しないでください。」
そして、次のようなコメントを出しています。
本社担当者(LGBTに対する回答)
「当社では同性愛者の方も異性愛者の方も関係ありません。」
「皆さま大切なお客さまです。」
「お客さまを侮辱する方をお客さまとしてお迎えすることができません。」
このお店の従業員がこのやり取りをTwitterに投稿しています。その後、瞬く間に拡散しました。
そして、このお店側の回答は、多くのTwitter民に称賛されることになりました。
同性愛者や性的少数者、様々な個人の嗜好が許容されています。
差別意識を持つことなく接客していくことが、サービス業の務めであると再認識させられました。
一見するとLGBTQ+への理解を示す企業の美談として片付けられがちですが、私はそこに潜む危険な兆候を感じずにはいられません。確かに、差別的な顧客を拒絶した店の対応は賞賛に値します。
しかし、ネット上の「性的マイノリティーに対して差別をするな」「性的嗜好は生まれ持ったもの」「色んな性的な好みが個人個人の性格を形成してる」といった意見には、強い違和感を覚えます。
まず、「性的嗜好は生まれ持ったもの」という言説は、科学的根拠に乏しいだけでなく、LGBTQ+の人々を「異質な存在」として特別視し、逆に差別を助長しかねません。性的指向や性自認は、生物学的、社会的、文化的など様々な要因が複雑に絡み合って形成されるものであり、単純に「生まれつき」の一言で片付けられるものではありません。
さらに問題なのは、「個人の嗜好」という言葉を安易に使う風潮です。同性愛を「個人の嗜好」の範疇に押し込めてしまうことは、それが単なる趣味や好みの問題であり、変更可能なものであるかのような誤解を生み出し、差別を正当化する口実を与えてしまいます。
私たちが真に目指すべきは、「性的指向や性自認にかかわらず、すべての人々が尊重される社会」です。その実現のためには、安易なステレオタイプやレッテル貼りを避け、一人ひとりの尊厳を認め合うことが何よりも重要なのです。
この一件は、単なる「差別反対」の美談として消費されるのではなく、私たち自身の中にある無意識の偏見や差別意識を問い直すきっかけとなるべきでしょう。
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