交通事故は被害者も加害者も、両者ともに身体的にも肉体的にも一生の傷になりかねません。
一歩間違えれば、死んでしまうことも・・・。 死ななくても、下半身不随など後遺症が残ることもあります。
今回の主人公は25歳の時に片足を失ってしまった男性です。
10年程前の出来事です。 当時25歳だった男性が50ccのバイクで走行中、突然歩道から少女が飛び出してきました。
少女を避けたため、その男性はバイクで転倒!!
しかし、その後さらなる悲劇が男性に襲いかかります・・・広告
バイクで転倒した男性を後続の自動車が引いてしまい、下肢を踏まれてしまったのです。
ドライバーも咄嗟のことでブレーキを踏みましたが間に合わなかったのです・・・。
そして、車で踏まれた片足は損傷が激しく、切断することに・・・。
この男性の仕事室内業務だったため、仕事を失うことはありませんでしたが、それでも片足を失うということは精神的にとても辛いことですよね。
しかし、この男性は辛い気持ちを立て直し、
「少女が助かってよかった」
「今後、生活が少し不便になる程度」
「たかが足1本」
と思い直したそうです。
その少女の家族と示談になり、その内容は・・・
年間50万円を受け取る
というものでした。
その事故から10年経過しても、その少女の家族とは付き合いが続いていたそうで、男性も「懇意にお付き合いしてもらって嬉しい」
その少女のお宅まで伺うほどの中だったそうです。
こうした少女側のご家族と付き合いが続く中で、少女が結婚するという話を聞いた男性。
この男性はその話を聞いて、それまでの10年に思いを馳せ、様々な感情が頭を駆け巡ったのでしょう。
成長した少女の人生の幸せを思い、嗚咽したのだそうです。
さらにこの男性はその少女を思い、
「結婚には費用がかかる」
「この家族の負担を減らしてあげよう」
「年50万円の支払いは断ろう」
という思いに達したそうです。
そして、今では「もう自分とは関わる必要は無い」と考えているようです。
個人的な見どころ:
この事故とその後の人間関係は、一見すると美談のようにも見えます。被害者が加害者を許し、長い年月を経て友情を育む姿は確かに感動的です。しかし、美しい物語の陰に隠された、より複雑で苦い真実を見逃してはなりません。
年間50万円という示談金。これは少女の家族にとって、決して軽い負担ではなかったはずです。そして、その負担を背負いながら、男性との「懇意な付き合い」を10年間も続けてきた。これは、罪悪感と経済的な事情が複雑に絡み合った、少女側の苦渋の選択だったのではないでしょうか。男性の「負担を減らしてあげよう」という思いやりも、少女側の立場からすれば、10年間の重荷から解放される安堵感の方が大きかったのかもしれません。
男性は「たかが足1本」と強がりますが、その言葉の裏には、事故によって奪われた未来、夢、そして肉体的・精神的な苦痛が隠されているはずです。本当に「たかが」と言えるのでしょうか。
この物語は、加害者と被害者という単純な二項対立では捉えきれない、人間の心の奥底にある光と闇、そして社会の不条理を浮き彫りにしています。
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