ペイ・シャンさんが誕生したとき、医師たちは彼女の手足が他の赤ちゃんと比べてずっと短いことに気づきました。何度も検査を重ねた結果、彼女は骨や内臓、中枢神経に影響を及ぼす先天性の疾患、ムコ多糖症の可能性があると診断されました。ペイ・シャンの成長は生後3ヶ月の赤ちゃんの状態でストップしてしまいました。
ペイ・シャンは次々と健康の問題を抱えるようになりました。両親は「1つのハードルを越えるとすぐにまた目の前に壁が立ちはだかり、ジェットコースターのような苦しみと感情の波を経験した」
ペイ・シャンの顔や体には乳児脂肪がついたままで、オムツも必要でした。また、肺の機能が限られていたために常に酸素マスクは欠かせませんでした。そのため、ペイ・シャンの母親は彼女の酸素マスクが正常に機能しているか音にとても敏感になっていました。
ペイ・シャンが2歳になったとき、両親は特別学校に通わせようと試みました。しかし、ペイ・シャンは屋外に出た途端、複数の感染症を患ってしまいました。さらに人前に出たときには、周囲の人たちから好奇の目で見られました。「どうして自分が他の子と違うのか」と両親に質問してきたペイ・シャンに、両親は「君は特別で個性的だからだよ」と伝えていました。
両親の愛情を受けてペイ・シャンはとても明るい性格に育ち、好きな食べ物を食べたり、好きな番組を見たりして充実した1日を過ごすことができました。彼女は絵を描くこととピアノを弾くことが大好きで、2015年には長年の夢だったチャリティーコンサートでピアノの演奏を披露することもできました。
2016年7月、ペイ・シャンの容態が急激に悪化し、両親に見守られながら静かに息を引き取りました。
彼女はキャラクターのマイメロディが大好きで、マイメロディでいっぱいの明るいお葬式にしたいと願っていました。この彼女の願いには、参列者が彼女との大切な思い出に包まれた空間で彼女の人生を祝福することができるようにという意図が込められていたそうです。
どんな状況にも屈することなく、常に前向きな姿勢で決して諦めなかったペイ・シャン。様々な制限があった日々でも喜びを見つけて生き抜いた彼女を偲ぶのにふさわしい、心に残る葬儀となりました。今回紹介した1歳児の体に閉じ込められた17歳の少女の人生は、生きていることのありがたさを今一度考えさせられるものです。
ペイ・シャンの物語には、多くの人々から様々な反応が寄せられました。
「親が我が子に対してずっと赤ちゃんのままでいてほしいと言ったりするのは、成長するからこそ言える幻想なんだなって思った」
「この子はもう一度必ず生まれ変わって欲しい。健康な普通の女の子に」
「よく頑張ったと思う。17歳なんて遊び回りたい歳頃だろうに。来世があるならまた同じ親の元に健康で生まれて欲しい」
「残酷な世界だ。死んではいけない人達が先に逝き、死んでしまえと思うやつは長生きする。もし冥界なる世界が存在し、そこに神がいるのなら、神は良い人達を側に置きたがるのかな」
ペイ・シャンの物語は、多くの人々に生きることの大切さを教えてくれます。彼女の勇気と前向きな姿勢は、私たちに深い感動を与えてくれます。生きていることのありがたさを今一度心に刻み、日々を大切に過ごしていきましょう。
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