それは、私が実家に住んでいた頃のことです。敷地内に勝手に車を止める迷惑な人たちが何人もいました。しかも、一度や二度ではなく、同じ場所に複数回も。普通なら、「私有地です」「駐車禁止」といった張り紙で対策を講じるものですが、私の家の場合、その手の張り紙が全く効果を発揮しませんでした。
どんなに大きく、見やすい場所に「ここは私有地です」と掲示しても、無視されて車が止められてしまう。家族全員が頭を悩ませていました。これはもう、ただのマナー違反ではなく、明らかに悪意を感じさせる行為です。
しかし、ある日私は一つのアイデアを思いつきました。
これだ!と思った私は、さっそく自作の釘バットを作り、張り紙を準備しました。「ご自由にお殴りください」と大きく書かれたその紙を敷地内の目立つ場所に掲げ、釘バットをその隣に設置しました。
翌日、家族全員で敷地を確認すると、驚いたことに、無断駐車していた車が一台もいなくなっていたのです。それだけでなく、以来、一度もそのような車が現れることはありませんでした。
とはいえ、この方法にはいくつかの法的リスクが伴うことを認識しておく必要があります。例えば、車の持ち主が実際に車を破壊した場合、その責任は誰にあるのかという問題です。弁護士によれば、このような状況は「器物損壊罪」や「電気計算機使用詐欺罪」に該当する可能性があり、法的に非常に微妙な立場に立たされることになります。
過去には、無断駐車の車に「車を移動してください」とステッカーを貼り、そのステッカーを剥がす際に塗装が傷ついたとして、車の持ち主が訴訟を起こした例もあります。土地所有者が不正な行為に巻き込まれないよう、慎重な対応が求められます。
最終的に、釘バットを使った解決策は確かに効果的でユーモアもありましたが、法的リスクを考えるとおすすめできるものではありません。無断駐車の問題に対しては、防犯カメラの設置や「有料駐車場」との表示、さらには法的手段を通じた対策が現実的で安心です。
とはいえ、あの釘バットの威力を目の当たりにした家族は、その記憶をずっと笑い話にしています。それでも、やはり法を守りつつ、適切な方法で問題を解決することが最善策であることを改めて感じました。
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